PRP CGFとは?
PRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)は、患者様の全血を採取して、遠心分離器で作成された、血小板が濃縮された血漿のことです。
私たちが、体を傷つけたとき、創傷部位から出血が起こりますが、その傷を修復するために、血液中の血小板が凝集し、トロンビンと反応し活性化すると血小板内部のα顆粒から、体を修復するためのさまざまな成長因子を出します。
血小板から放出される増殖因子としては、
PDGF(血小板由来増殖因子)
TGF-β(ベータ型形質転換因子)
PDEFGF(血小板由来上皮増殖因子)
PDAF(血小板由来血管新生因子)
IGF-1(インスリン様増殖因子)
PF-4(血小板因子)
FGF(繊維芽細胞増殖因子)
VEGF(血管内皮増殖因子)
などがあります。
当院では、およそ全血の500-600%の血小板濃度を高めたものを、PRPとして使用します。
PRPは、活性化しないと成長因子を放出しません。
以前は、活性化因子(アクチベーター)を、塩化カルシウムと牛トロンビン(TBT)を使用してた時期がありましたが、その当時は人に使用すると、重篤な血液凝固異常を起こす可能性を示唆されていました。
そのため、現在では患者様の全血から、遠心分離機を使用して、自己由来のトロンビンを作成しています。その自己トロンビンと塩化カルシウムを混ぜ合わせアクチベーターとします。
PRPにアクチベーターを加え、それを骨補填材に混ぜたり、治癒を早めたい部位に適用します。
また、基本的に血小板の塊のようなものですので、治癒促進の効果だけでなく、止血も期待できます。また、骨補填材と混ぜると、塊になりますので、填入が用意にになるメリットもあります。
症例にもよりますが、PRPを適用すると術後の傷がとてもきれいなのも特徴です。
また、PRP分離時に同時に採取するPPP(Platelet-Poor Plasma:血小板の少ない血漿)にアクチベーターを加えると、フィブリンの膜ができますが、これは、前の項目で取り上げた吸収する膜として利用できます。(ただし、1週間程度で吸収されてしまいます)
このPRPやPPPのよいところは、すべて自己由来の全血から採取できるため、体の中に入れるものとして、非常になじみがよく、治癒が速やかに起こせることです。
そのことにより、術後の経過もよく、治療期間の短縮につながります。
30-40cc程度の全血を採血することで、おおよそ1ccのPRPができますが、歯科領域であればこの程度の量でほぼ足ります。
最近では、同様の効果を持ち、添加物を使用せず、更に簡便な方法で作成できるCGF(Concentrated Growth Factors)を症例に応じて使用しています。
CGFは380%程度のの血小板の濃縮されたゲルです。
CGFは、PRP、PPPなどよりも小規模な部位に適用します。
CGFでできるメンブレンは、フィブリンの結合が強く、縫合することもできます。
コラーゲン膜のかわりに使用しています。