接着性ブリッジについてのFQA
接着性ブリッジについてのご質問が多いため、FQAを作ってみました。
ご参考になさってください。
①接着性ブリッジは、歯を削らないでできますか?
接着性ブリッジは、主にエナメル質という歯の表層が接着しやすい性質を持つことを応用したブリッジです。歯質の削除は、主にエナメル質内にとどめるため従来のブリッジよりもかなり少ない削除量で済むという利点があります。
設計に関しては、日本補綴歯科学会のガイドラインがありますので、それに準拠したものとなります。その中で、歯を削らないで接着性ブリッジを行うことは推奨されていません。
②強度や残存率は問題ありませんか?
以下のような問題がなければ、予後も良好で臨床的な問題はほとんど出ません。
当院では、接着性ブリッジが保険導入されてから年間200症例程度は接着性ブリッジを行っていますが、破折や脱落などの問題はほとんど経験していません。
接着性ブリッジの予後不良の要因
①適応外の症例
②不適切な支台歯形成など技術的な問題
③不適切な接着操作
④ブラキシズムなど悪習癖
⑤口腔内の清掃状態不良
⑥患者様が定期的な歯科受診に応じない。
③通院回数は何回かかりますか?
診察しないとわかりません。最短の回数で、型どりまでの前処置が全くない場合で最低3回となります。前処置がある場合は、それらがすべて終わってから最低2回程度になります。
④費用を教えてください。
診察しないとわかりません。保険診療では部位によって費用がまちまちですし、前処置の内容、支台となる歯数などで全く費用が変わります。考えうる最小の費用は、必要な診査を含めると3割負担の方で総額で30,000円程度かと思います。
⑤金属を使わないで接着性ブリッジはできますか?
保険診療ではできません。金属を使用しないジルコニアブリッジなどは自由診療になりますが、削除量は金属のものよりかなり多くなります。
⑥保険診療で接着性ブリッジを行う歯科医院が少なく困っています。実際、近くの歯科で何軒か断られました。接着性ブリッジは何か問題があるのでしょうか?
接着性ブリッジを行っている歯科医院が少ないということはない気がしますが、比較的新しい技術ですので、積極的に行っていないということなのではないかと思います。
原田歯科では非常に多くの接着性ブリッジを行っていますが、その経験から特別な問題点を感じたことはありません。また、医療費削減を叫ばれている昨今、予後が悪いものを保険診療に入れることもないと思います。
むしろ、歯質の保護、患者様の治療にかかる負担軽減にもなりますから、現在は接着性ブリッジが第一選択で、必要に応じて既存の方法でブリッジを行うようにしています。
当院では、症例数は年々増加しています。
ガイドラインに沿った治療が行われていれば、予後もよく、強度の問題も心配なさらなくてよいと思います。