親知らずの抜歯の術後の痛みは、どの程度か?
最近は、現代人の歯並びの質問でも述べたように、歯に対する顎のサイズが相対的に小さくなってきているせいか、特に24歳ごろに生える親知らずは、歯として機能しないような場所に生えてくることが多くなっています。 歯は、ものを噛むことによって、自浄作用を持ち、周囲の組織の健康を保っています。親知らず(すべて歯が生えている人の場合、前から8番目の歯)は、生えている位置の異常により歯垢がつきやすかったり、歯みがきがきちんとできない場合が多いため、周囲の歯肉が腫れてきたり、虫歯になりやすくなってしまい、その結果抜歯することが多くなります。 一般論になりますが、急性炎症のある場合を除いては、上あごの親知らずの抜歯では、術後強い痛みが出ることは、ほとんどありません。 上顎は、顎の骨も柔らかく、周囲に筋肉などの組織も少ないので、抜歯した部位の安静が保たれるせいかと思います。通常、抜歯も1,2分で終わります。 下顎の場合は、だいぶ話が違います。 このような抜歯では、3,4日は強い痛みが出ることがあります。痛みがひくまで、1週間ぐらいかかることもあります。 それ以外の抜歯では、1,2日痛みがあるぐらいだと思います。 また、術中はどんな歯であろうと、麻酔をしっかりかけますので、痛むことはありません。 当院では、一般の方でも、血圧、飽和酸素濃度などをモニタリングしながら、不快事項が発生しないよう、また発生してもすぐに対応できるよう、安全に留意して抜歯を行っています。 また、術後のトラブルとしては、後出血をおこしたり、ドライソケットといって、抜歯によって露出した骨面に、血餅がのらず、感染を起こしたりするとかなり強い痛みが長期間続きます。 また、まれに神経を傷つけ知覚麻痺を起こす場合がありますが、よほど大きく神経を損傷しない限りは、少しずつ良くなってきます。(半年から1年ぐらい) |