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アジスロマイシンについて

アジスロマイシンの開発によって歯周病の治療は様変わりした事は皆様のご存知の通りです

 
以前は歯周病に外科手術は不可欠なものでしたが最近は非外科でもそこそこ結果が残せるようになってきました
手術に対してバリアの高い障害者の方にとっては朗報です
 
それでは今までの抗菌薬とアジスロマイシンはどのように違うのかを解説いたします
 
アジスロマイシンは白血球やマクロファージなどの食細胞への移行性が非常に高く血清中と比較しておよそ250倍の取り込みが行われています
 
これはクラリスロマイシン等と比べて10倍ほど高い数値となっています
 
アジスロマイシンは分子型とイオン型の2つの形があり通常は分子型で抗菌薬としての作用を発揮します
酸性下においてはイオン型として存在します
イオン型のものは構造上細胞膜を通過することはできません
 
食細胞に取り込まれたアジスロマイシンは食細胞内のリソソームと言う領域に取り込まれるとリソソームは酸性のためイオン型に変化をします
 
イオン型のアジスロマイシンは細胞膜を通過できないため食細胞から出ることができません。
 
人体に感染が起こると食細胞の感染病巣への遊走によりアジスロマイシンは食細胞に取り込まれた状態で直接感染病巣に運ばれます
 
感染病巣において食細胞が細菌を貪食すると食細胞内にファゴソームと言う細菌を食べるための袋のようなものが形成され、それがリソソームと合体しファゴリソソームと言う大きな袋になります
 
このファーゴリソソーム内は中性のためリソソーム内でイオン型であったアジスロマイシンは分子型となり食細胞から放出されます
 
このように特異的にアジスロマイシンが食細胞によって取り込まれ直接的に感染病巣に運ばれます。
そのため歯周ポケットのような本来は抗菌薬が届きにくい部位の感染性バイオフィルムに対しても高い効果を発揮すると考えられています
 
 

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