八王子にある歯医者さん 原田歯科医院

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歯周病治療の流れ

歯周病は、虫歯の治療と違い、治療の期間が長く、患者さんの自己管理が、十分でないと、なかなか継続してよい状態を保てません。現在、患者さん自体が、どの治療ステップにいるかわかっていないと、自分が何をすればよいかわかりませんし、わけの判らないまま治療を受けていると、だんだん医院にいくのが、億劫になってしまいます。ここでは、まず治療の流れを説明いたします。

1回目

(1)歯周組織の

検査、お口の中の状態の説明をします。
レントゲン撮影、歯周ポケット測定、顕微鏡による口腔内のプラークの細菌叢(とくに、歯周病関連菌の目安となるスピロヘータ)などの確認をして、現在の病状を正確に把握します。

(2)抗菌剤の投与、歯周治療の流れの説明。
抗菌剤を投与することで、体内に入り込んで、炎症を起こしていた歯周病菌は、劇的に減り、症状は改善します。また、必要に応じて、抗菌力の高い歯みがき剤を使用していただきます。
真菌の数が増えると、機序はわかっていませんが、歯周炎の進行が早まるケースが多いため、抗真菌剤を使用することもあります。

(3)衛生士によるブラッシング指導
まず、衛生士に正しいブラッシング法を教わります。通常は、歯ブラシと、歯間ブラシを併用します。ほとんどの方は、歯と歯の間、歯と歯肉の境の歯垢(ねばついた汚れ)が落とせていません。
はじめは、教わったやり方でみがくと、今まで、歯垢がついたままで腫れた場所によくブラシ毛先が当たるようになるため、正しくみがいていればいるほど、ブラッシング時に出血すると思います。
ただ、1週間もすると、出血もとまり、歯肉の腫れ、赤みが徐々に取れてきます。これができていないと、すべての治療がうまくいきません。

2回目

(4)見える歯石(歯ぐきの上にある歯石)をとる
抗菌剤の投与、ブラッシングにより見かけ上の腫れはかなり取れているはずです。通常は、検鏡をすると、歯周病関連菌の目安となるスピロヘータは、かなり減った状態になっています。
そこで、まず、歯肉から上にある、見ることができる歯石を取ります。
さらに、歯肉の腫れがとれます。

3回目以降

(5)歯周検査、ポケットの深い部位の見えない歯石(縁下歯石)をとる(S.R.P)
通常、ポケットが深い症例は、その中に歯石がびっしりついています。これをとらなければ、歯周炎は治りません。そこで、麻酔をした上で、ポケットの中に極細の器具を入れ、歯石を取ります。
ポケットが、4mm以下のケースは、これでほとんどが治りますが、それ以上の場合、このような盲目的なやり方では、熟練した衛生士が施術しても、多少の歯石の取り残しが、ほとんどの場合認められるとの報告があります。また、歯石は取れても、そこを覆っている歯肉の厚みがある症例では、深いポケットが残りやすくなります。

この段階まで起こるポケットの深さの変化は(基本的には、浅くなる)、

①薬剤による歯周病菌の減少やブラッシングにより浮腫を起こしていた歯肉の腫れがなくなることや
②S.R.Pにより、縁下歯石が取り除かれ、歯肉と歯根の密着(上皮付着)が起こること
によります。

この上皮付着の状態は、結合力が弱いため、はがれやすく、長期的にみると不安定なものです。(そうでないという意見もあります)

ご家庭でのプラークコントロールが不十分だと、再度そこに深いポケットができてしてしまうこともあり、まだ気が抜けません。

(6)再評価、再治療、フラップ手術、動揺歯固定
この時点で、歯周病菌の少ない細菌叢が得られず、排膿や腫れがとまらないなど、臨床的な症状が改善しないケースに関しては、再治療または、歯周ポケット自体を外科的に切除します。
フラップ手術では、(5)で取り残した歯石、上皮、結合組織などの余分な組織を徹底して取り除き、必要に応じて骨整形などをして、歯の周囲の組織の形態を修正します。
この手術をすることで、ポケット自体は、確実に(3mm以下)浅くなります。ただし、切除しているだけなので、歯を支えている骨の量は、増えません。

また、切除する量が多いと、審美的に不自然に見えたり、食べ物の流れが、滞る場所ができたりするので、それが、予測されるときは、術前に、お話をします。

必要があれば、術前に、歯を固定してかめる限界を高くして、術後の歯の一時的な動揺の増加に対応します。

メンテナンス
正しい口腔ケアーが続けてできていないと、継続して良好な状態を保てません。
そのため、半年もしくは1年に一度の検診は不可欠です。

(1)でおこなった検査で、歯周ポケット測定、臨床的な症状の改善、顕微鏡的に良好な細菌叢(歯周病関連菌の目安となるスピロヘータが少ない状態)が維持できているなどを調べます。その結果により、必要な処置をしていきます。

このような流れで、治療は行われますが、すべての歯が残せるわけではありません。歯周炎末期の歯は、無理に残すよりも、抜いたほうが、全身的によい場合が多いため、抜歯をすすめる場合もあります。病的な部分がない状態で、咬みあわせを再構築したほうが後々問題は起こりにくいものです。

ただし、治療に対するご希望は、遠慮なくおっしゃってください。できることと、できないことがあると思いますが、できるだけ個別的に治療を進めていきます。

メンテナンス時に使用する歯みがきペーストです

メンテナンス時に使用する歯みがきペーストです

位相差顕微鏡

位相差顕微鏡

抗真菌剤のシロップです 歯みがきペーストとして使います

抗真菌剤のシロップです 歯みがきペーストとして使います

ポケットの中の歯石

ポケットの中の歯石

歯肉の腫れが取れ、歯根との密着が起こる

歯肉の腫れが取れ、歯根との密着が起こる

フラップ手術:歯肉、骨膜を剥離し、直視下にて 取り残した歯石を除去し、骨の整形をします。

フラップ手術:歯肉、骨膜を剥離し、直視下にて 取り残した歯石を除去し、骨の整形をします。

術前、術後の細菌叢の変化を比較します

術前、術後の細菌叢の変化を比較します

縫合します

縫合します