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治療紹介

原田歯科医院

スペシャルニーズ歯科(障がい者歯科)・歯科訪問診療

ゆりかごから墓場まで、安心してかかれる歯科医療を提供します

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歯科訪問診療

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笑気吸入鎮静法をみなおす

笑気吸入鎮静法とは、20-30%の笑気ガスとのこりは酸素の混合ガスを鼻マスクから吸入することで鎮静状態をうる方法です。
笑気吸入鎮静法は、点滴をとる必要もありませんし、鼻呼吸ができれば問題なく行えます。
また、
①気道刺激がなく調節性に富み、覚醒が早い。
②酸素を同時に投与できるため、循環器に不調がある患者様には有効である。
③臓器機能を抑制せず、安全に使用できる。

このようなことから、原田歯科では、歯科治療恐怖症や嘔吐販社の強い患者様(異常絞扼反射)、パニック障害、知的障害、発達障害などスムースに歯科治療を受けることが難しい患者様に、かなりの頻度(静脈麻酔と同じくらい)で笑気吸入鎮静法を行っています。
また、血圧が高い方や不安などから動悸が強く出てしまう方などはとても良い適応です。
意識を消失させるような鎮静は必要ないけれども、酸素投与により循環器の負担を少なくし、恐怖心、不安感をへらしリラックスして治療を受けていただくような場合は、とても良い手法です。静脈内鎮静法、静脈麻酔のような、術前の禁食や術後の運転禁止などの様々な制限もありません。
いつも通り歯科医院に来て、治療が終わればそのまま帰宅できます。

しかし、笑気吸入鎮静法は以前から以下のような問題点(欠点)が指摘されていました。
①鎮静効果が不安定。(口呼吸や会話に影響される。)
②鼻マスクを用いなければならない。(治療の妨げ、鼻閉や鼻呼吸ができない患者様には不向き)
③環境汚染(室内、室外)

また、禁忌もあります。
①体内に閉鎖腔(中耳炎による中耳内圧上昇、気胸、気腫性のう胞、腸閉そく、気腹など)
②最近眼科手術時に、ガスタンポナーデを行った場合。
③妊娠初期(3か月以内)
④てんかん、ヒステリー、過換気症候群は発作を誘発することもあります。
⑤笑気濃度が高いと、気持ち悪くなることがある。

こんなことを書かれると、その効果は大したことがないように思われるのですが(以前は、自分もそう感じて時期がありました。)実際、いろいろと行ってみるとほとんど禁忌もなく、環境汚染以外の欠点は見当たりません。

欠点の検証からしていくと、

①鎮静効果が不安定。
確かに笑気自体の効果は限定的ですが、高濃度の酸素を投与していることにより不安や恐怖による体の過剰な酸素消費を補償し、心負担を減らし身体負担をかなり抑えることができます。また、鼻マスクをしていることでのプラシーボ効果もあり、トレーニングを行っていくことで対応できるようになるケースも多いと思います。酸素による身体的な負担軽減と笑気による精神的な負担の軽減がデュアルで予想以上の安心感を患者様に与えていると考えています。
②鼻マスクを用いなければならない。
自分としては慣れてしまっているので実際、鼻マスクをしようがしまいが全く問題なく治療できます。(はっきり言って慣れの問題。)また、鼻閉の患者様でも鼻から吸入できないガスは、患者様の口周辺に漏れ出しますので口からある程度取り込まれてしまいますので全く効かないことはほとんどありません。また、自分でマスクをはぎ取ってしまうような患者様は、軽い抑制をして少し待てばほとんどの患者様は鼻マスクを受け入れていただけます。
③環境汚染。
原田歯科では、麻酔器で笑気吸入鎮静法を行うため、呼気は室外に排気されてしまいますので、室内環境は汚染がありませんが、室外の汚染は避けられません。ガスの流量を必要最小限にしていくことしかありません。半閉鎖的に使用し、ガスの使用量を減らすなどの工夫や、安価な分解装置などが開発されることを待つしかありません。

禁忌も、問診は適切に行っていますが、実際のところ禁忌で実施できなかった患者様はほとんどいません。

以上の問題がクリアできない患者様に対しては患者様は、静脈内鎮静法、静脈麻酔、全身麻酔で行うしかありません。実際のところ、患者様とのお付き合いの中で、それぞれの患者様に最適な方法を提案していくことが一番良いように思います。
管理の方法が、通法、抑制、笑気、静脈内鎮静法、静脈麻酔、全身麻酔などのうちの一つの方法だけしか選択肢がないのは歯科医師にとっては楽なやり方ですが、患者様には最良の選択ではありません。

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