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Down(ダウン)症候群について

常染色体異常のうち最も生存しうる頻度の高い染色体異常で、21番染色体のすべて、もしくは必須領域の過剰複製により生じます。

染色体型
頻度の高い順にトリソミー21型(95%)、転座型(4%)およびモザイク型(1%)があります。
モザイク型とは、染色体構成の異なる細胞が混在する状態で、染色体変異細胞の発生する時期により体細胞におけるそれぞれの割合が変わってきます。変異細胞の割合が少ないほど、その表現型である症状、合併症などの変異は少なくなります。

出生頻度
700~1000人に1人であり、統計的に母親の年齢に比例して発生率が上がります。

全身的特徴
発育遅滞による低身長、肥満傾向、短頚、短い手足、筋緊張低下、短い手足があります。
顔貌の特徴としては、短頭、扁平後頭、内眼角贅皺、眼瞼裂斜上、鞍鼻、小さな耳や耳介低位、眼間離開、早期老化傾向により30才過ぎより皮膚の乾燥、弾力消失、白髪、粗毛などがみられます。性格は陽気で人なつこいですが、時に頑固な一面をのぞかせます。

合併症(主なもの)
精神遅滞
先天性の心疾患
消化器の奇形異常
眼の屈折異常
白内障
難聴
急性白血病
一過性の骨髄異常増殖症
点頭てんかん
環軸椎の不安定
猿線
多指症、合指症
40才以降にアルツハイマー病が高率に発症します。

歯科的な問題点
歯の先天欠如、矮小歯、円錐歯、短根歯など歯数、形態の異常が見られます。
永久歯の歯質はカルシウムの含有量が少なく、軟らかい。
上顎の劣成長により狭口蓋、反対咬合、交叉咬合などが見られます。
大舌、溝状舌があり、舌の突出癖があります。そのために、反対咬合がさらに助長されます。
筋の緊張低下により開口および口唇の乾燥が見られます。
齲蝕は唾液の性状により相対的に少ないですが、ダウン症の特徴でもある免疫異常、早期老化傾向により早期発症型の急速進行性歯周炎に罹患しやすいとされます。

歯科での対応
精神遅滞により、口腔ケアが十分に行われないこと、早期老化、短根、免疫異常による易感染のため、歯周炎が進行しやすく、なるべく早い時期からの定期的な歯科受診(リコール)が推奨されます。口腔内感覚の過敏、巨舌などケアしにくい状況がありますが、性格が温厚なため早めに歯科受診に慣れていただけたらと思います。
心疾患があることが多いため、ストレスのかかる処置には心負担に配慮し、先天性の心疾患により感染性の心内膜炎などのリスクがある場合は術前の抗生剤の投与などが必要になります。

歯科の問題は、障害がない時や体力があるときにはあまり問題を起こさないため、健康に関心のない健常者の方の中には、歯科的な問題を軽く見る方がいますが、そのような方でもいずれ加齢と主に、いろいろな病気や障害が出たときにいままで歯科的な問題を放置してきたつけが一気に襲いかかってきます。食べるもので、人の寿命、人生はずいぶん変わります。口は、食べる、呼吸をする、会話するなどさまざまな重要な役割があります。また、最大の感染経路でもあります。ある意味、口からすべてが始まります。清潔にしないでいいわけがありません。もう少し、歯を大切にしてほしいと思うことがよくあるこのごろです。