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広汎性発達障害について

広汎性発達障害とは、言葉によるコミュニケーション障害や特異な常同行動を伴った発達障害です。
主なものは、Rett症候群、小児崩壊性障害、自閉性障害などが含まれます。

Rett症候群
後天性小頭症、重度精神遅滞、手の能動的動作消失と特異な常同運動(手もみ運動)、特徴的歩行障害を主徴とします。女性のみに発症。
合併症は、睡眠障害、側彎、間歇的過呼吸、無呼吸発作、てんかん、発育不良、四肢末端の冷感があります。
歯科的な問題としては、ブラキシズム歯列不正などがあり、てんかんへの対応やブラキシズムに対しては、ナイトガードを作製します。無呼吸発作では、チアノーゼとともにSPO2が急激に低下するため、モニタリングと酸素吸入を行います。

小児崩壊性障害
乳児期までは、定型的な発達をしていますが、3歳前後に突然、数か月で言葉を消失、それまで発達していた精神機能が著しく退行しコミュニケーション障害と重度の精神遅滞になり、その後回復が見られません。

自閉性障害(自閉症)
自閉性障害の定義は、DSM-Ⅳによると
①対人的相互反応における質的な障害
②コミュニケーションの質的な障害
③行動、興味、および活動の限定された常同的で限定された様式
④聴覚と触覚に対する過敏が強い

などがみられるとされています。

自閉症の原因は、以前は親の療育過誤が原因で生じた情緒障害とされた時代がありましたが、現在では否定され生まれつきの脳の機能障害が原因であり、生後の発達環境により生じるものではないとされています。いまだに、自閉症に関しては誤った認識を持つ方が多く、それによって傷つく方が多くいます。非常に残念なことです。

自閉症スペクトラム
英国の小児精神科医のL.Wingにより唱えられた概念であり、自閉性障害は虹のスペクトラムのようにさまざまな症状や障害の程度が連続性を持つという考え方です。この概念に基づけば、精神遅滞の見られないAsperger障害、重度の精神遅滞の見られる折れ線型、特定の優れた能力を持つSavant症候群であれ、自閉性障害として対応することとなります。

自閉性障害への対応
先述の通り、その多様性のため対応は様々になります。重度の精神遅滞がみられる場合は、言語はもちろん事象への理解が困難ですし、精神遅滞の無いAsperger障害などの場合も聴覚情報によるコミュニケーションよりも視覚情報によるもののほうが優位であるために視覚に訴えるコミュニケーションが有効になります。TEACCH(自閉性障害および関連するコミュニケーション障害の小児のための治療と療育)プログラムでは、絵カードなどの視覚支援が言葉を補うコミュニケーション法として応用されています。

自閉性障害の歯科治療
コミュニケーション能力が多種多様なため、ほぼ通法でできる場合もありますが、大半は絵カードなどの視覚支援とタオルを使用したラッピングテクニック、レストレーナー(抑制具)を使用した体動のコントロール、笑気吸入鎮静法の併用がが必要になることが多いと思われます。コミュニケーションが困難な場合は、静脈内鎮静法(ほぼ深鎮静)や全身麻酔による薬理学的な行動調整が必要になります。
意識下でストレスや理解できない治療などの刺激が加わると、自傷やパニックを起こすことがしばしば見られます。