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精神遅滞(MR)について

精神遅滞(MR、mental retardation)は、発達障害の領域の一つです。発達障害は、幼児期から思春期までに発症した脳由来の障害を指します。
発達障害には知的障害、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などがあります。小児科、小児神経科領域ではこれに加え脳性麻痺や、視覚障害、聴覚障害を含めて発達障害ととらえています。
頻度はおおよそ1%程度で、男女比は1.5:1とされています。日本における知的障害児、者の総数は施設入居者12万8千人、在宅者41万9千人(平成20年度)で総数としては54.7万人です。
ICD-10分類で、IQ(知能指数)おおよそ70-50が軽度(85%)、35-49が中等度(10%)、20-34が重度(3-4%)、20未満が最重度(1-2%)とされています。

MRの方だけの問題ではありませんが、心身障がい者の方は歯科の介入が非常に不可欠、重要で、口腔内の問題を放置していると致命的な事態になることがあります。

歯科においては、口腔内診査は2歳6か月、治療は4歳程度の発達年齢がないと適応できない可能性が高く、それ以下では意識下での歯科治療は難しく深鎮静や全身麻酔などによる行動調整法が必要になります。
それ以上の発達年齢では、行動変容法などで歯科治療がを受け入れてもらえるようになることが多いと思います。
当然、治療内容が簡単なもののほうが歯科医師、患者様双方のの負担が少ないので、一連の歯科治療が終了した後、1か月から3か月毎にリコール(口腔内診査や機械的な歯面清掃、齲蝕予防処置など)を行うと歯科的な問題が激減します。

障害者の方を取り巻くバリアの問題も大切です。
例えば、障害者の患者様のリコールを行なう歯科診療所が少ないと、通院自体がご本人、同伴されるご家族などの負担がい大きくなってしまいます。
歯科治療は地域の歯科医師会が運営する口腔保健センターなどで行われることが多いと思いますが、それ以降のリコールは受け入れ可能な地域の協力医で行うことが望ましいと思われます。小回りが利きます。
そのためには、診療所の入り口をスロープにしたり、エレベーターを設置したり、院内を土足可能にしたりと物理的なバリアを取り払う配慮や覚悟が必要です。そうしないと、車いすや歩行が困難な患者様は入ってこれません。

常々思いますが、福祉の必要な障がい者の方、介護の必要な高齢者の方、保育の支援が必要な保護者の方などは、社会全体で支えていかないとその周囲の方の負担が大きくなりすぎ、個人が破たんしてしまいます。家族とまでは言いませんが、温かいまなざしを持って支えることが、障害のある方やそれを支える個人の負担を少なくし、社会参加を促し社会にその能力を還元するとことができます。

実際、様々な障害がある方はかなり多く、軽度のもの、有病者、精神疾患、後天的な障害などを含めると、総人口のかなりの割合になります。私見として、障害がないなんて人は基本的にいないと思って診療しています。

先日、相模原市で障がい者を狙った悲惨な事件がありました。いつも歯科医師会の障害者歯科診療所や原田歯科に通院してきている障害のある患者さんの顔が目に浮かび、そのご家族の気持ちを考えるととてもやりきれない気持ちになりました。