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白い歯石、黒い歯石

縁下歯石は、このような色をしています。

歯石には、大きく2種類あることをご存知でしょうか?ひとつは、歯ぐきの上についている白く見える歯石(歯肉縁上歯石、略して縁上歯石)ともうひとつは歯周ポケットの中についている普段は見ることのできない黒い歯石(縁下歯石)です。同じ歯石なのにどうして色が違うのでしょう。

それは、歯周ポケットの中は嫌気性(酸素が少ない状態)、外は好気性(酸素が豊富な状態)の環境であることに原因があります。歯周病の原因菌のひとつであるPorpyromonas ginngivaris(P.g菌)(黒色色素産出性バクテロイデス属に入り、偏性嫌気性(増殖するのに酸素を必要としないことと、大気中の酸素にさらされると死滅してしまう菌)、グラム陰性、非運動性桿菌です。進行した成人性歯周炎、広汎性歯周炎から検出されます。歯肉の炎症の程度と、歯肉縁下プラークに占めるこの菌の比率との間に相関関係があることがわかっています。)は、黒い色素を産出する菌ですが、ポケットの中でしか生存できません。そのため、歯周炎の方の歯周ポケットの中の歯石はPorpyromonas ginngivaris(P.g菌)の出す色素により黒くなります。ポケットの外では、そのように濃い色素を産出する菌がいないため、リン酸カルシウム主体の歯石は、もともとの白い色のままで入ることになります。

このような話をすると、「それでは、いつも定期的に除去している白い歯石は歯周炎と関係ないのですか?」と聞かれることがあります。歯周病菌は嫌気性であることを、逆手に取ると「口腔内に嫌気性の環境を作らなければ、嫌気性である歯周病菌は生存できない」ことになります。実際、深い歯周ポケットからのみ(若干、舌の表面からも検出されます)、歯周病菌が検出されることから、深い歯周ポケットが、嫌気性の環境をつぶす標的になります。白い歯石がついていると、歯周ポケットにふたをしたような環境を作り、その周囲を清掃できないため、ポケット内を嫌気性菌のの吹き溜まりのような状態にしてしまいます。歯間ブラシなどを使用すると、ポケット内に酸素が物理的に供給されるため、嫌気性環境がブラッシングのたびに壊されます。このように、歯周ポケットの嫌気性を壊すためには、縁上歯石の除去が必要なのです。

もともとは、縁上歯石が歯根を伝わって縁下歯石になるわけですから、縁下歯石のない方の場合は、縁上歯石をつけなければ、歯周炎のリスクは著しく下がることになります。このことが、歯周炎の進行を予防します。