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NiTiファイルについて

日本の歯科医療でよく目にするのは、神経を抜いた後神経の入っていた穴の清掃が不十分、もしくは困難なため取り残された感染性の残骸が腐敗し根尖部に膿がたまってしまう「根尖性歯周炎」です。

これは、日本では皆保険制度が充実しているため歯科医療が他の先進国に比べかなり低額で受けられるというメリットの半面、限られた社会保険医療費の中でやりくりをしないといけないためそれぞれの医療費が低額で十分な時間や費用をかけられないという現実による影響が非常に大きいと思います。
どうしても根管治療は手作業の比率が大きく、短時間で終わらせようとするとよい結果が出ません。今まで、原田歯科でも20年来様々な根管清掃のハンドピースを使用してきましたが、これといって大した時間短縮になることは少なく、逆に器具の折れ込みやレッジの形成などトラブルを起こすこともありました。

近年、NiTiファイル(ニッケルチタンファイル)という根管清掃(根管拡大)に有用な機械的清掃器械が普及してきました。
根管清掃で一番時間がかかるのが根管を拡大する作業です、特に高齢や齲蝕を放置していて神経の入っている穴が狭窄していたり、湾曲が大きい場合は、手作業だとかなりの手間と手用のファイルの消耗が大きいためにかなり根気のいる作業ですが、保険診療での評価はほとんどありません。いわゆる歯科における義歯と並ぶ不採算部門といわれる部分です。

そのために、「根尖性歯周炎」が日本では異常に多くみられます。他国で少ないのは、高額な治療費できちんと治療しているか、高額な治療費のため治療をせずに抜歯しているためにそういったことが少ないだけです。日本と同じ状況になれば、おそらく結果は現在の日本以下でしょう。

NiTiファイルは、トルクコントロールができるハンドピースを使用します。根管拡大に複数のファイルを使用しますがそれぞれが5秒程度しか使用しませんので、大臼歯のように3,4根管ある場合でもファイルの誘導路(グライドパス)が形成されていれば、2,3分でおおよその根管拡大が終わります。
ファイルの寿命は短く、使用回数はだいたい8回程度が安全です。そのため、1回使用当たりのコストは高め(最低で¥500-程度)ですか、かなりNiTiファイルは根管への追従性が高いため、今後より一層の普及が見込まれます。それに伴い若干のコストダウンも起こりうるでしょう。
実際はNiTiと手用のファイルを併用したほうがよりよい結果が出せるように思います。

あと心配なのは、一部の歯科医が無理なコストダウンを求めて、プロトコルを守らない使用回数、使用法によるトラブルです。時間短縮は、患者様、歯科医に大きな負担軽減をもたらしますが、プロトコルを守らない使用法は再治療不可能な結果をもたらします。結果、予後不良のため抜歯を余儀なくされたり、結果、新たなユーザーとなりうる歯科医からNiTiファイルが敬遠されてしまう可能性もあります。コストに見合った診療報酬の設定が必要に思います。