八王子にある歯医者さん 原田歯科医院

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悲しい根管治療

ある歯科の専門雑誌で、アメリカでは日本人の受けている根管治療のレベルの低さが話題になっているという記事がありました。根管治療とは、歯の神経の入っている穴を清掃、消毒することにより、歯根の周囲の腫れを起こさないようにする治療のことです。根管治療は経過が悪いと、歯肉が腫れてきたり、咬むと痛みが出てくるので、歯科の基本中の基本になる治療です。

神経の入っている穴は、直接見えませんし複雑な形をしているため、きちんと掃除をすることはかなり手間と時間がかかります。日本人は、アメリカ人よりも手先が器用で、繊細であることは間違いないと私は思っていますが、実際、日本の根管治療のレベルがアメリカのものよりも雑であることも間違いありません。同じ時間、手間をかければおそらく日本人の歯科医の根管治療のほうが完成度は高いはずです。

なぜこんなことが起こるのでしょうか?基本的には、日本とアメリカでは、治療に対するチャージ(治療費)が10倍くらい違います。信じられないことですが、本当のことです。また、その結果患者様が治療の結果に対してシビアなため、歯科医が治療に対して自信がなければ、すぐに専門医に送ってしまいます。専門医は、さらに高いチャージ要求してきます。お隣の韓国は、日本の5倍くらいのチャージとなっています。日本の根管治療の治療費は、恐ろしく低評価です。根管治療だけでなく、すべてにおいて歯科の治療費は同様の扱いを受けています。

健康保険制度の確立した日本では、自由診療以外は歯科医師は自分のおこなっている治療の価格を自分で決められません。主に、官僚の皆さんが決めているのですが、いまの日本の保険医療制度は、疾病予防の概念がなく、治療に対してしか給付をおこなわないため、疾患が増え、治療が多くなると治療単価をカットすることで対応してきました。そのようにして、医療費の増大を抑えてきましたが、限界以上に治療単価を下げると、どこかにしわ寄せがきます。銀座の眼科医のレーシックの件はよい例です。

治療単価を減らすことは、より医原性の疾患(治療したことによる二次的な疾患)を引き起こし、疾患発生の増大スパイラルをとめられません。むしろ、疾患を減らす方向を目指していかないといけないのですが、そういう大局的な動きは見られません。たとえば、定期的な検診を受けていれば、治療費の負担割合が低減するとか、健康を害し、医療費を膨らませているタバコ、アルコールなどに対して健康税なるものを課すなどいろいろ方法は諸外国を研究すればあるはずです。このままだと、医療費の増大は止まりそうにもありません。