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銀歯は時代遅れか?

歯を白くしたいという要求は強く、歯科の雰囲気もセラミック、硬質レジン(プラスティック)を中心としたメタルフリー化の流れになっています。

セラミックやレジンの優位性は、その審美性にあるように思えますが、本当はどうでしょうか?セラミックは本当によりベターな選択肢なのでしょうか?
メタルフリーといわれるこれらの材料がすべてにおいてメタル(金属)修復に比べ、優れているわけではありません。また、セラミックやレジンは白いという点では同じですが、物性自体は明らかに異なる材料です。
今後、歯科材料のメインの材料は何になるか考えてみたいと思います。

メタルに対してセラミックの優位な点

①プラークが付着しにくく、吸水しないために変色などがほとんどない。
②もともとの歯の色を再現できる。
③メタルにくらべ若干修復後のカリエス(虫歯)のリスクは少ないかもしれない。これに関しては、メタルに含まれる銀が接触する歯質の齲蝕抵抗性を高めているという説もある。
④金属アレルギーのリスクが非常に少ない。
⑤金属資源の節約ができる。

不利な点

①ジルコニア単体で作られたものを除いては、破折のリスクがあり、ブラキサー(歯ぎしりなどの習癖を持つ方)や最後方歯など強い力がかかる部位には向かない。
②要求される厚み(つまり歯の削除量)が咬合する部位で最低1.5mm程度(材料によりそれ以上)は必要になる。メタルは0.5mm程度でも長期生存できる。
③保険診療ではできないため、高額な治療費が必要。最近は、CADCAM冠(コンピュータで画像データを取り込み、補綴物(ほてつぶつ)のデザインを行い連動するミリングマシンでセラミック、硬質レジンのブロックを削りだすことにより作成される冠)などの一部が保険診療に取り込まれるようになり(H26.4より)複雑な技工操作がなくなることで、より安価になる傾向があります。おそらくこの方向はCADCAMの症例が増えることにより、参入業者がふえかなり加速されると思います。
④天然の歯質よりも硬度が高いため、表面の研磨性状が低いと対合している歯の咬耗が優位に起こる。セラミックは咬耗が起こりにくいため、患者様の経年的な口腔内の変化に協調できないかもしれない。
⑤セラミック冠に高額な治療費がかかっているにもかかわらず、レベルの低い根管治療がされている場合、再治療の際のトラブルが起こりやすくなる。日本では、保険診療において根管治療は米国の1/10程度の金銭的な評価しかされておらず、それに見合った治療しかされていないケースが見受けられます。これは歯科医の技術に絡む問題なのか、結果として安価であるが再治療の多い日本の保険診療の問題なのかよくわかりません。また、日本の歯科治療の傾向として、費用負担の少ない保険診療のおかげであえて患者さんとの話し合いの中でホープレスな歯を積極的に残すような場合もあり、その結果として再治療が多いのかもしれません。
根管治療をしないで、抜歯をしてしまえば根管治療による再治療は起こりません。米国のように治療の結果にシビアになると日本では残すような歯でも抜歯という選択をされることがあるかもしれません。

硬質レジンにおいてはセラミックに比べ

優位な点は
①保険診療で行え、安価。
②可視光線で硬化できるため、即日の修復が簡単にできる。
③基本的に充填する材料なので複雑な形態の欠損にも適用できる。
④接着して光で固まる歯の色をした粘土のようなものなのでいろいろ面白い使い方ができる。
⑤物性、接着技術の進歩によりCADCAM、充填、光硬化など他の材料ではできない使い方ができるため、もしかしたらとてもよい多目的に使える材料になりうる。
⑥歯と対咬してすり減ることができる。

不利な点は
①強度が相対的に弱く、修復する部位、欠損の形を選ばないと失敗する。
②湿度の高い口腔内の直接操作が多く、特に開口や湿度の問題で接着操作にあらが出やすく、生存率が低い。
③吸水性が若干あり、変色やプラークが付きやすい。ただし、研磨をしっかりすればかなり問題は回避できる。
④上記の理由などにより、カリエスリスクの高い方、口腔清掃状態の悪い方にはあまり向かない。
⑤術者の手技による結果のばらつきが大きい。これは歯科治療全体に言えることですが、、、。
⑥レジンアレルギーがある場合がまれにある。

このようなことから言えることは、現時点ではメタルの優位性は
①少ない歯の削除量で十分な強度が得られる。
②破折しにくい材料であるので、再治療の際にも再利用できる場合がある。
③保険診療で治療が受けられる。
④カリエスリスクが高い方、口腔清掃状態が悪い方には第一選択。
⑤ブラキサーなど強い咬合力のかかるケースの方の第一選択。

③に関しては、現在金属価格が高騰していてCADCAMのブロックと競争できるようになってしまっていますし、相場価格に左右される金属よりもCADCAMブロックのほうが安定供給が可能なため価格の面は将来的には解決されえてしまうかもしれません。

これは余談ですが、ピアスは金属で作られているものですが、ファッションとして楽しむことができます。車いすや補聴器も最近はいろいろな彩色を施し、デザイン性、ファッション性をもたせたものがあります。歯科もそういった装着している患者様が惨めな思いをしなくて済む、遊び心を持った方向性も必要かなと思います。口の中も金属色か歯の色かしか選択できないのはつまらない気がします。