八王子にある歯医者さん 原田歯科医院

ホーム 各種治療紹介 虫歯治療 - 集中歯科治療について

集中歯科治療について

原田歯科の得意な治療手法に「集中歯科治療」というものがあります。今回は、この治療手法についての話です。

虫歯や歯周病がひどくなり歯科にかかっても長期の通院がネックになり、さまざまな治療で何度も治療を中断してしまう方がいます。そのような患者様で、治療後も継続して検診に来て頂けることを約束して頂ける場合に限り、患者様との同意の上、数回の通院で治療を終わらせてしまう治療スタイルです。このやり方は、治療回数が非常に少ないため口腔崩壊をおこしている患者様にはよいやり方だと思っていますが、さまざまな問題もあります。

①1回の治療量が多すぎる。

 基本的に1顎単位で行う治療のため、たとえば上顎の治療であれば、上顎すべての歯の虫歯治療、抜歯はもちろん神経を抜いたり(抜髄といいます。)、根の治療(感染根管処置、略して感根処)などを1回で終わらせます。ただし感染根管処置などの場合は1回で終わらせることが適当でないことが多いので、そのような場合は次回以降、継続の処置ができるような形にします。その上で、事前に作成しておいた仮の歯を装着してしまいます。残存歯が多く、抜髄や感根処する歯数が多いと非常に長時間の治療になります。平均的には2時間前後、長いと4時間前後かかることも珍しくありません。原田歯科のスタッフは、このような治療をほぼ毎日行っているため、非常にボリュームの大きな歯科治療を行うことにはなれていますが、治療の段取りをきちんと組んでもそのくらいの時間がかかってしまいます。
4時間を越えるような治療の場合は、途中休憩や軽食、トイレの時間をはさんでいかないと難しいと思いますし、長時間の治療が苦痛の場合は、静脈内鎮静法を併用して行うことがよいと思いますが、1回の鎮静時間は2,3時間が限界なので(尿意の問題があるため。)、きりのよいところでいったん覚醒し、トイレ休憩を行い再度鎮静というオプションも考えないといけません。鎮静の場合は、歯科治療の特性上、口腔内で歯の切削のため多量の注水を行うため、健常者の場合は、浅めの意識下の鎮静で誤嚥を起こさないようにしないといけません。誤嚥や体動のリスクが大きい方の場合、全身麻酔で気管挿管下に行ったほうが治療に無理がありません。

②多量の局所麻酔が必要。

一度に行う処置、手術が複数存在するため、局所麻酔の量がかなり多くなります。歯科では1/8万エピネフリン入り2%リドカイン(1.8mlのカートリッジ)を使用します。 カートリッジ1本あたりのエピネフリンの量は、22,5μgになります。健康な成人には極量が5μg/kgとされてます。そうすると50kgの方だと250μgとなりますが歯科では100μg以内にとどめるのがよいとされます。
歯科で高濃度の血管収縮剤であるエピネフリン入りのリドカインが使用されるのは、長時間リドカインが血管を介して全身に拡散しないためですが、実際1/8万ではなく1/16万でも2時間程度の抜歯、インプラントの埋入程度の手術ではあまり問題が出ません。
また、1/16万ですと、鎮痛がきちんとできていれば循環動態に大きな影響はありません。そのようなことを考えると、どうして1/16万エピネフリン入りのリドカインカートリッジが市販されていないのか不思議に思います。

またリドカインに関しては極量が7mg/kg(成人に対しては1回量は200mg)とされています。カートリッジ1本あたりに含まれるリドカインの量は36mgとなります。
基本的に麻酔薬はリドカインですので、いままでのことを総合すると1/8万エピネフリン入りリドカインだとカートリッジ5本程度が限度ですが、希釈して1/16万にすると10本程度のカートリッジが使用できます。

③全身状態の悪い方には負担が大きい。

基本的に歯科のようにマイナーな診療科(守備範囲が局所的という意味)は、生活の質を保つことが最優先に考えられるべきですし、それが目的なはずなので、来院回数、患者様の都合などであえて全身状態の悪い方に、負担の大きすぎる治療を行う必要はありません。むしろいままで、歯科側の理由ではじかれてしまった患者様への治療の手法だと考えたほうがよいです。
歯科はマイナーな診療科ですが、患者数(潜在的な方を含めると)はとてつもないメジャーな診療科です。

④1回の治療費が高額。

これに関しては、実際ボリュームが大きい治療を行っているため、仕方ありません。小分けにすると、再診料が余計にかかるだけです。ただし、一気に治療を進めてしまうよりも小分けに治療したほうが治療の結果だけを考えたら問題が起こりにくいかもしれません。

⑤歯みがき(歯間ブラシを含む)などの基本的な口腔ケアができない患者様、定期的な検診に来て頂けない患者様には行えない。(行いません。)

このことに関しては、検診の重要性を考えれば当然だと思います。口の中に関心がない方や、痛いとき、腫れたときしか歯科にかからない方には、メンテナンスが必要な治療はしないほうがよいかもしれません。

基本的な口腔ケアとは、
①就寝前、できれば食後は歯ブラシと歯間ブラシ(もしくはデンタルフロス)を使用して3分程度は歯みがきをしている。
②ケアのやり方は、歯科衛生士から適切な指導を受けている。
ことが一つの目安です。

検診の重要性に関しては、トピックスの中で次のような記事を書いています。

「今まで、歯科は、「痛くなったら行く」という方が多いのではないでしょうか?
そのようなかかり方では、おそらく歯を失うことを防ぐことはできません。

歯の治療はきちんとしているのに、どんどん歯がなくなっていく。
削っては、つめて、腫れては抜いての、連続。
歯がなくなるまで、延々と続く治療。
入れ歯になっても痛くてかめない。

歯科にかかる時間、費用、ストレスも馬鹿になりません。

虫歯や歯周病は、適切なホームケアと定期的な検診で、進行を予防できる疾患です。
がんをはじめとする粘膜疾患、顎の骨の中の病気、顎関節の異常なども早期に発見できます。
定期的に歯科を検診を受けている人たちは、そうでない人に比べ残存している歯の数が有意に多いことがわかっています。

定期的な検診は、早期発見、早期治療のためにするのではありません。 適切な時期に、適切な治療をするために行います。

1)虫歯は進行するものと、そうでないものがあります。進行しないものを治療することは、慎重であるべきです。 治療をすることで、虫歯はなくなりますが、その歯は、より虫歯になりやすくなります。
2)歯周病は、現在では中程度のものまでは、治療により進行を止められます。ただし、重度になるまで、ほとんど自覚症状がありません。
3)虫歯や歯周病は、食習慣の改善、正しい口腔ケアの習得で、進行のスピードをとても遅くできます。
4)口腔内のがん、のう胞などの病気は、かなり進行しても痛みを伴いません。
5)定期的にご自分の口腔内の問題点を把握できます。

当院では、患者様それぞれに適切な検診の内容、間隔を考えています。
治療が終わった方、最近歯科にかかっていないと思われる方は、ぜひ定期的な歯科検診をご利用ください。」

食事はとても大切です。病気を治すことばかりに目がいきがちですが、医食同源という言葉のとおり、食事の内容はその人の一生を決めてしまいます。健康のためには、管理栄養士の先生の職域がもっと広がるべきではないかとおもいます。