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神経を抜くと歯が割れる?

日本は、歯科の基本的な治療を保険制度がカバーしてくれているおかげで、虫歯が進んでも抜歯をせずに歯の神経を抜いて歯を保存する治療が、おそらく世界の国の中でもとても頻繁に行われています。歯の神経を抜くと、非常に多いトラブルは歯根の破折です。

アメリカなどでは、虫歯が進むと、日本のように神経を抜いて治療をすることはあまり多くはありません。理由としては、①神経を取る治療自体が100%成功するわけではないこと②歯の破折の問題が常に付きまとうことなどがあります。日本ではまず抜歯にしないであろう症例でも、抜歯をして、入れ歯やブリッジ、インプラントなどを勧める場合も多いようです。アメリカの歯科医は、歯科治療自体が、自費もしくは、民間の保険会社からの支払いによるものが多く、失敗イコール損害賠償、訴訟、支払い拒否というパターンになりやすいため、術後トラブルが少なくない神経の治療を選択するのに慎重です。歯科治療費自体も結果に対してシビアなため、日本の10倍くらいの額が平均的です。

日本では、治療費の自己負担が少ないこと(実質アメリカの30分の1)や「結果的にだめでもよいから、何とか抜歯しないでほしい」という要求が強いため、治療の結果にたいして患者さん側もシビアにならないことが多く、無理をして残しているケースが多いと思います。日本人の国民性によるものも大きいかもしれません。悪い言い方をすると、結果に対して、歯科医師と患者さんの間に高い緊張感がありません。アメリカのように高額な治療費を請求するようになったら、そうはいかないと思います。

日本において、治療後の歯根破折が多いのは、テクニック云々の問題もありますが、無理して残しすぎていることが多いように思います。ただ、それが患者様との折り合いの中で決められたことであれば仕方ありません。

現在、歯根破折を一番起こしにくいやり方は、①破折の可能性を常に考え、なるべく歯の切削量を少なくする②歯の補強(支台築造といいます)には、金属ではなく歯と弾性の近い接着性レジン(合成樹脂)や補強芯としてはグラスファイバーのものを使う③接着前処理を含め、接着操作を乾燥した状態で、マニュアルどおり行うことに尽きると思います。これでだめなケースは、何をしてもだめです。保険治療では、本当に大切な根管治療や、支台築造の評価が低すぎて材料代にもならないため、旧来のリスキーなやり方が横行しています。これらのことに対する評価が低いことがまかり通っていることは、いままで歯科医師、患者様ともに治療の結果にシビアでなかったことも根底にあるのかもしれません。もう一点は、レントゲンを撮影したら、常に患者様に見せていく診療スタイルをとるようにすると、変な言い方ですが、人に見せられない治療は必然的にできなくなりますから、根管治療においては治療のレベルをある程度は担保できると思います。