八王子にある歯医者さん 原田歯科医院

ホーム 各種治療紹介 口腔外科 - 歯根端切除術について

歯根端切除術について

歯根端切除は、本来は、虫歯治療の延長上にある処置だと思いますが、外科的な手法が大きいので、口腔外科の項目で紹介しています。

神経を抜いたあと、神経の入っていた管のなかに神経の残骸や、唾液由来の細菌が原因で、感染が起こり、
1)かむと痛い
2)歯ぐきが腫れる
3)温かいものを口に含むと痛む

などの症状が出ることが、神経を抜いたあとの歯で、数%でるとされています。

このようなことがおこると、再度神経の入っていた管の掃除をやり直すこと(根管治療)で、処置していきます。

ところが、
1)機械的に清掃できない部分が原因で問題がある
2)すでに、はずすことが困難であったり、高額なものでかぶせてしまっているため、根管治療ができない
3)根管治療治療で治すことができない病態(のう胞など)に進んでしまっている

などの理由で、根管治療の適応にならないケースが少なからずあります。

通常は、抜歯してしまうことが多いのですが、どうしても抜歯を避けたい場合は、歯根端切除という方法があります。

これは、外科的に、病巣部分を切除し、それと同時に新たに、神経の管から汚染物質が出ないように歯根の先端部分を切除して、露出してきた神経の管を封鎖してしまうものです。
骨の欠損が大きいときは、人工骨などを使う歯科医もいます。

この術式は、すべての歯には行えません。病巣部分が大きすぎると、切除後に残った部分が少なすぎて、歯として機能できないことがあったり、外科的な侵襲が、相対的に大きすぎて、部位的にできないこともあります。

以前は、予後が経過良好のものが、60%程度と言われていたため、積極的にはおすすめしていない傾向がありましたが、最近では、術式の改良や、顕微鏡の使用などにより、90%ていどの成功率が出てきているようです。

切除した部位は
1)骨組織で満たされる
2)結合組織で満たされているが、安定していて症状が出ない
などに、収束していくようです。

再度排膿してきたり、のう胞ができたりするようであれば、抜歯して、徹底的に原因となる、感染している結合組織や上皮組織がのこらないように除去します。

骨組織の中に上皮が残ると再度のう胞を形成することや、まれに悪性転化してしまうことがあります。
厚みのない上皮組織は、きちんととることが難しく、少しでも残すとまた再発してきます。

個人的には、出血のコントロールがきちんとできて、病巣の充分な切除、根管の確実な閉鎖、的確な切開線、縫合の3点ができていれば、さほど予後が悪くないような気がします。

ただ、根管治療に充分な時間、手間をかけられれば予後不良のケースは必ず少なくなるはずです。そうすれば、成功率のさらに低い、歯根端切除などやらずにすむはずです。
根管治療は、じつはきちんとやろうとすると難度も高く、充分な時間、手間が必要な治療です。

ところが、どういうわけか保険の点数が異様に低いために、はしょられてしまいやすい処置です。

その結果、根管治療が失敗してしまうと、次に必要な処置、手術は、高額で、侵襲の大きいものになってしまうことは、何か制度的におかしいような気がしていますし、歯科医師会などでも
そのことに対しては何十年も厚労省、中医協などで働きかけていますが、ほとんど実情は変わっていません。

もうすこし基本的な治療が、採算が取れるような環境にないと、いつまで経っても、雑な治療はなくならないように思えます。