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骨補填材を使わない上顎洞挙上術

上顎の奥歯にインプラントを埋入しようとするとき、上顎洞という鼻腔の左右両側の脇にある空洞が発達し、インプラントを埋入するための骨の高さが足りないことがあります。その際に、上顎洞に骨を造る手術が、上顎洞挙上術(サイナスフロアエレベーション)といわれるものです。

サイナスフロアエレベーションは、上顎洞を囲む骨を若木骨折させ、上顎洞粘膜を押し上げることによりできるスペースに骨補填材を詰め込むことで、骨の再生を図ります。通常6ミリ以上あれば、ソケットリフト、6ミリ未満であれば、サイナスリフトが適応されます。ソケットリフトは、インプラントを埋入するために形成した穴(径が、4ミリ程度)から、上顎洞を囲む骨を若木骨折させ、上顎洞粘膜を押し上げる手法で、オステオトームテクニックと呼ばれています。サイナスリフトは、インプラントを埋入するために形成した穴からではなく、さらに歯肉を剥離して、上顎洞に直接骨をくりぬき、直視下で上顎洞粘膜を押し上げていく手法を指します。

一見、ソケットリフトのほうがサイナスリフトよりも侵襲が少ないため、ソケットリフトが多用される傾向がありますが、ソケットリフトの場合、挙上できる高さがせいぜい5ミリ程度なので10ミリのインプラントを埋入しようとすると、やはり6ミリ程度の骨の高さがないとかなり無理があります。特に今まで行われていた骨補填材を使用した方法だと、術後1週間くらいから始まる上顎洞粘膜の腫れや、手術時の上顎洞粘膜の穿孔(穴を開けてしまうこと)により補填材が上顎洞に漏れ出し、急性の副鼻腔炎を起こしたり、その対応としてインプラントの撤去が必要になることがまれにあります。

この補填材の上顎洞への漏れ出しが直視下で確認できないもしくは、確実に防げないことが上顎洞挙上術(サイナスフロアエレベーション)全般のトラブルの一因でした。サイナスリフトでは直視下で上顎洞粘膜を押し上げていくため、手術時には粘膜の穿孔の有無を確認できますがその後の補填材の漏れ出しを完全に防ぐことはできません。(術後の上顎洞粘膜の腫れにより、粘膜が穿孔することもあるため)

原田歯科では、こういったリスク要因を取り除くため、上顎洞挙上術(サイナスフロアエレベーション)においては骨補填材を使用せず、骨再生の場を、埋入したインプラントと生体吸収性のコラーゲン膜そして患者さまの血液から作成したCGF(人工的に造った生のかさぶた)を使用します。骨は、実は骨補填材がなくとも、骨に囲まれ、結合組織や上皮が入り込ます、血液がたまれるスペースがあればそこには骨が再生してきます。上顎洞は、炎症のコントロールさえできれば一番骨を作りやすい部位でもあります。

骨の外側に骨を再生させる場合は、外圧に対してつぶれることのないように吸収の遅い骨補填材でスペースを造ることが必要ですが、骨に囲まれた部位は、コラーゲン膜などによる囲い込みで、スペースメイキングができればそこに血液がたまり、次第に骨再生が起こるため補填材は必要ありません。

骨補填材を使わない上顎洞挙上術(サイナスフロアエレベーション)に関しては、いままではどちらかというと半信半疑的な傾向がありましたが、私の卒業大学である東京医科歯科大学のインプラント 口腔再生医学分野教授の春日井昇平先生なども、実際骨の高さが2ミリ程度の症例を多数手がけ全症例で良好な結果を得られています。

またこの手法は、術後の患者様の不快事項も少なく、骨再生のためのコストも抑えられるため(ちなみに骨補填材は、1gまたは1cc単価6000円以上します。挙上範囲にもよりますが、サイナスリフトの場合補填材は費用だけでも5万円程度はかかります。ちなみに、ソケットリフトの場合は、インプラント1本に付き0.5gぐらい必要です。)患者様により優しいものだといえると思います。