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原田歯科医院

スペシャルニーズ歯科(障がい者歯科)・歯科訪問診療

ゆりかごから墓場まで、安心してかかれる歯科医療を提供します

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現代人の顎は小さくなっているか?

最近の子供の歯並びは、悪くなったといわれます。少子化により子供一人ひとりに細かく目が行き届くようになり、今まで潜在化したものが浮き出てきただけでしょうか?それとも、本当に歯並びは悪くなっているのでしょうか?40年前と現在の顎と歯のサイズを比較してみましょう。

歯が並ぶための顎のサイズ
6歳ごろに生える6歳臼歯と第一中切歯を基準とした測定では、現在のほうが幅、奥行きともに増加していますが、幅の増加は有意なものではなく、奥行きは1.5mm増加しています。つまり、歯並びのアーチが前後的に長細くなっています。

歯のサイズ
左右の12歳臼歯間に並んでいる14本の永久歯の幅の総和は、上あごで5mm、下あごで3mm大きくなっています。

どうも、顎、歯のサイズとも大きくなってますが、歯のサイズの増加のほうが大きいようです。また、幅は増えず、前後的な奥行きが増えていることにより、前突(出っ歯)、叢生(でこぼこした歯並び)になりやすくなっています。

ただ、これらが栄養状態が良くなったことによるものであれば、以前と相似的にサイズが大きくなりそうですが、そうならないのには、わけがあります。

まず、食べるものの変化です。現代は、軟食の時代です。とにかく、やわらかいものが好まれます。また、乳幼児のころから、食べやすいようにやわらかいものを与え続けているという親側の問題もあります。
やわらかいものは、良くかまずとも飲み込めるので、よくかまずに食べる習慣がついてしまいます。
昔は、食事中に銀歯が取れると、気がつく人が多かったですが、最近では気づいたら飲み込んでいたという人が多く、作り直すことが多くなりました。

やわらかいものばかりかんでいると、かむ筋肉に負荷がかからないため、筋肉や顎のサイズが大きくなりません。そのため、幅が増えないのです。

また、硬いものをかんでいると、歯と歯は、強くこすれあうため、そのサイズが、少しずつ小さくなっていきます。(幅を含めて)

やわらかいものでは、歯の上下動が起こらないため、歯のサイズの縮小がおこりません。 これは、歯のメタボリック症候群ともいえるかもしれません。

また、歯にかかる力が弱いため、実際、根の長さも有意に短くなっています。

ものを食べるという行為は、かむ筋肉だけではできません。飲み込むためには、口を閉じ、舌を上あごに押し付け、圧をかけないと飲み込めません。そういった口を取り囲む筋肉の働きも必要となります。かむ筋力が弱い人は、口を閉じる筋の働きが弱いことがわかっています。

特に、口を閉じる筋の力が弱いと、常に口はぽかんと開いたままになり、そこに歯は、舌に押し出されて突出してきます。
また、呼吸に関しても、鼻呼吸よりも口呼吸の傾向が出てきます。もうそうなると、口を閉じることによる内向きの力が働かないため、顎はより前方に成長しやすくなるようです。

口呼吸は、乾燥した外気が加湿されず、直接体に入ってくるため、呼吸器の乾燥を促し炎症を起こしやすくします。

このような論法でいくと、まず食生活を見直すことが機能的、形態的に健康な口腔を作るためには、大切だと思いますが、豊かになった日本ではなかなか難しそうです。ただ、このような変化が、数十年で起こっていることは、驚くべきことです。

正常な歯並び

開咬(かいこう):主に指しゃぶりなどの悪習癖でなります。

叢生(そうせい):歯の並ぶ、顎のサイズがないため起こります。

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