HOME

治療紹介

原田歯科医院

ゆりかごから墓場まで、安心してかかれる歯科医療を提供します

レストレーナーの使用に関して

障害のある方や時に小児の患者様の歯科治療の場合、治療の目的、内容が理解できないため叫んだり、暴れたり、診療室から逃げたりすることがあります。また、歯科治療恐怖症、異常絞扼反射などの患者様の場合も恐怖や不快、吐き気などで体動が抑えられない場合があります。また、脳性麻痺の方の場合、原始反射や不随意運動による体動があります。

体動が強いと大半の歯科治療は危険が伴い、歯科治療自体が困難なため、体動の調整はどうしても必要になります。

体動は、何らかの原因があって起こることが多いため、障害者歯科では行動調整法が非常に重要になります。
暴れるから、押さえればいい、麻酔をかければいいという考えはあまりにも医療者側の都合一辺倒でますます医療者側から治療の敷居を高くしてしまいます。

知的障害の患者様の行動調整は、一般的には発達年齢が3-4歳程度あることが成功条件とされ、

不安を軽減させる手法としては、
①リラクゼーション法
②レスポンド条件付け
③系統的感作
④エクスポージャー法
⑤モデリング法

行動形成法としては
①オペラント条件付け
②トークンエコノミー
③タイムアウト法
④レスポンドコスト法
⑤ボイスコントロール
⑥シエイピング法
などがあります。
こういった定型的な手法と、その患者様への配慮により、通法で歯科治療のアプローチができるようになれば素晴らしいことです。

障害のある患者様は、口腔のトラブルを起こさないように、口腔機能を落とさないために歯科にいらしています。治療が無理であれば、もう少し受け入れてもらえそうなステップでのアプローチをして、その目的を達すればよいわけでそのあたりのスタンスが健常者の方の歯科治療と大きく違うように思います。

歯科的メンテナンスの永続性(Longevity)が一番大切です。

健常者の方で、治療が終わると定期検診にいらっしゃることもなく、何年後かにいらしたときは口腔崩壊を起こしている患者様を散見し、メンテナンスの重要性は治療をすることよりもはるかに上回ることを痛感します。

今回の抑制具(レストレーナー)も行動調整法を行い、患者さんに本当に必要な時だけ使うことが本来の使い方です。レストレーナーは保護的支持を目的としたもので、体動による事故を防ぐために用いられます。事故を防ぐためとはいえ、ネットで拘束されていることには変わりませんから、それに対する配慮は当然必要です。

配慮と注意点は

①保護者などにレストレーナーの必要性を説明し、承諾を取る。
②できれば、レストレーナーに横たわることもトレーニングしていく。嫌がり度がよくわかります。
③バスタオルや、マジックベルトなどを併用し、体動をしっかりコントロールする。レストレーナー離脱予定の場合は別。
④痛みがないか、気道を圧迫していないかなど確認。
⑤最低限パルスオキシメーターを装着し、バイタルサインをモニタリング。無理な場合は、頻繁な声かけ、観察を続ける。
⑥痛みのない、愛護的な治療手技。
⑦無駄のない安全で迅速な治療を行う。治療計画も配慮なく漫然と行わない。長時間使用しない。(原田歯科では最長でも30分以内としています。)
⑧頭部は物理的に固定しない。嘔吐、器具の落下など偶発症への対応。頭部は、徒手的な固定で対応する。
⑨視覚、聴覚など遮断すべき感覚、遮断してはいけない感覚を決めておく。聴覚が敏感な場合、イヤマーフなどを使用する。処置は、出来るだけ見せて行う。
⑩意思表示ができる手段を確保しておく。
⑫付き添い者は、チェアーサイドで患者から見える位置にいてもらう。
⑬非常時のため、生体情報モニタ、吸引2系統、バックマスクなどはためらいなく反射的に使用できるようにしておく。酸素、アドレナリン、アトロピンなどメジャーな救急薬剤は迅速に使用できるようにしておく。
⑭来院毎にレストレーナーを嫌がっていないかチェック。嫌がっているようなら、何が原因か再評価する。
⑮開口器とのコンビネーション使用がほとんどなため、頭部を振られたり、開口器を外されたりするような稚拙な手技がないように、徒手による体動のコントロールをトレーニングする。
⑯体動のコントロールは、このままでよいか常に再評価する。

などがあります。

レストレーナーは抑制具というよりは、自動車でいうシートベルト的な保護具として使用していることが患者様に少しずつ何となくわかってもらえれば、だんだん嫌がり度も少なく受け入れてもらえるように思います。

Copyright © Harada Dental Clinic All Rights Reserved.